それは和室で行われました。小さな会場で,定員は50人と聞いていたのですが,座布団と椅子で70位は席が準備されており,ほとんど満席でした。
山下さんは,箒木の後半から空蝉にかけて,なんともいえぬ魅力を持つ京ことばでしっとりと朗読してくださいました。いつの間にか源氏の世界に引きずり込まれ,時間を忘れてのめり込んでいました。最後の空蝉の歌を語り終えた時には,その切なさに思わず涙があふれそうになりました。
さて,開催される市の住人で,やはり朗読をしている友人がいたので前夜に声を掛けたら,他の用事があるけれど源氏と聞いたら行きたい,と言って来てくれました。彼女は語りの会を主宰しているくらいで,半端ない人なのですが。
友人は自分も是非源氏をやってみたいと思っている,でも源氏は内容が内容だけに,若い女性が読むと生々しくなってしまうので,ある程度年を経て枯れた感じになってきてからのほうがいいのだ…と言っていました。なるほどそうかもしれません。それならば,わたしは年齢的には大丈夫かも…と考えたのですが,そこではたと思いとどまりました。
山下さんは朗読に入る前に,内容をわかりやすく説明してくださいました。その語りがまた素敵なのです。人を惹き付けるのです。これには,人としての深みが大きく関わっているように感じました。わたしのような年だけとって深みのない人間には到底無理だなと思い知らされた一面でした。
それにしても普段の生活とは全く違う源氏の世界に浸ることのできた,感激の時間でした。
ついでに…
窯変 源氏物語のページも(http://musicanodame.jugem.jp/?eid=122)思い出して読み返してしまいました。
整骨院で有線のBGMがかかっているのですが,その中で突然この曲が流れてきました。
懐かしく,なんとなく切なく…大好きだった曲。
「あすなろ白書」のテーマ曲。ドラマの切なさが,そのまま映し出されたような。ドラマを味わいながら,S.E.N.S.って,なんて素敵な曲を作るんだろうと思っていいました。
原作の柴門ふみは妹が好きだったので読んだことがあったのですが,あの絵もなんともいえない雰囲気を持っているんですよね。
ドラマの中では,筒井道隆くんは当時あまり知らなかったせいもあって何となくピュアで新鮮な感じだったし,木村拓哉くんが主役でないのも斬新だったし,西島秀俊くんはとってもイケメンだったし…鈴木杏樹も好きだったし…もう,なんともいえず好きなドラマで,テーマ曲もぐっと心の奥底にしみこんできたのです。
「神様,もう少しだけ」のテーマ曲もよかったなあ。深田恭子ちゃんも金城武さんも好きだし。(でも,ドラマの設定でHIVの感染経路が援助交際だったのはちょっと…という感じだったけれど。)
「ぼくの夏休み」のメインテーマ「未来へつなぐ空」は牛田智大クンがピアノを弾いていたけれど,作曲・プロデュースはS.E.N.S.だったのですね。曲の雰囲気はやっぱり生かされてます。すてきでした。